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◆ミナミヌマエビ×レッドチェリーシュリンプ交雑実験

 レッドチェリーシュリンプとミナミヌマエビは、ぱっと見形態のよく似た淡水エビで、 共に大卵型です。ネット上では、両者が「交雑する、しない」の両方の意見を目にするので、 いっそ簡単な交雑実験をしてみようと思いました。 (ちなみに、「レッドチェリーとミナミを混泳で飼ってたら、生まれた稚エビの色が薄かったから」は、 交じったと考える理由になりません。「雌雄・体色」を御覧下さい) 
 結論から言えば今回は混じりませんでした。が、適当実験なので、いくらか条件付です。

 2005年8月追記:
 (→観賞魚店購入の「ミナミヌマエビ」とはあっさり交雑した実験結果
 蝦三昧さんの購入ミナミヌマエビとレッドチェリーシュリンプの交雑実験

 ミナミヌマエビと言って売られている中には、シナヌマエビ(中国産亜種)が多数含まれている可能性がありますので、要注意。生まれる稚エビがどんな風になるのか楽しみですねw

 2006年1月追記:
 ピーシーズの「レッドビーシュリンプvol.1」の中で、レッドチェリーシュリンプはシナヌマエビとされています。そりゃ、店売りの「ミナミヌマエビ」とは混じりますね・・・。当サイトの管理人の興味は、狭義のミナミヌマエビ(亜種レベルに分けた場合の日本のミナミヌマエビ)とレッドチェリーの生殖隔離の程度なので、今後も機会があれば、再トライしてみようと思いますが、その前にこんな事情がございますので、地元の川にいる「ミナミヌマエビ」の正体を多少探ってみるところから始めようと思っています(^^A


 純国産ミナミとの交雑実験の詳細と条件は、以下の通りとなっておりますので、お時間取れる方はどうぞw
 レッドチェリーもミナミヌマエビも、未熟なメスとオスを肉眼で見分けるのが大変なので(というか、自宅で顕微鏡無しでやってるので)、 とりあえず間違いなさそうな成熟メスを判別することを基本にしました。

■レッドチェリーメスの準備
■ミナミヌマエビの準備
■混泳開始
■結果とまとめ


■レッドチェリーメスの準備

 多くの淡水エビでは、脱皮直後の殻が柔らかい状態のメスがオスと交尾し、 その時に得た精子を利用して、体内で受精→産卵(腹肢に抱卵)することが知られています。 実験に使うレッドチェリーのメスも、同種のオスと交尾済みで精子を持っていたらまずいので、 ちょっと準備をしました。
 まず、2年以上前に購入した個体8尾から累代維持(*)している4〜50尾の中から、 卵巣をはっきりと確認できるが、抱卵はしていない状態のメス5個体を隔離しました。 この5尾をしばらく隔離して、抱卵しないことを確かめます。(隔離水槽>写真1)

*:親と子どもが交雑することもあるため、厳密な累代ではありません。

 
 2004年9月末から2ヶ月以上そのまま加温無しで飼育していましたが、水温は21〜26度の範囲内でした。 (一番下がる明け方が寒い時で21度、日中暖房で26度付近まで上がることがありました)
 5尾のメス全てが脱皮し、それに伴って腹部の張り出しが顕著になりましたが、 産卵は行われませんでした。卵巣は、常にはっきりと確認できる大きさでしたが、一部の個体で やや再吸収されたように思えました。(写真2:測定してませんので確定ではないです・・・)
 隔離飼育開始から1ヶ月半経過した頃に1尾、2ヶ月経過後に2尾の死亡が確認されましたが、 前後で水槽内の他の生体に特別異常と思われる行動は見られず、 死亡した個体の大きさ、死亡後の遺骸及び水の透明具合、同居生物の様子等から、 寿命か、それに近い死だと思われました。
 同期間中、同じ室内の元の雌雄混泳状態のレッドチェリー水槽では、 ほとんどの成熟メスが次々と抱卵していました。

 

(写真1:レッドチェリーメス隔離水槽)
17キューブベアタンク、
弱めのエアレーションのみで濾過無し。
ミクロソリウムやウィローモス等を投入。
餌>アカムシかプレコタブレットをほぼ毎日。
食べ残しはペレットで吸い取り。
換水>1〜2週に一度、
もとの飼育水槽からの水で、
3分の1換水。
水質センサー>レッドラムズホーン。



(写真2:2ヶ月飼育したレッドチェリー♀)
>>2ヶ月以上隔離飼育したこれらのメス個体は、複数の脱皮を経ても抱卵していないので、 貯精のうにレッドチェリーの精子を持っていないだろうと思われます。 実験後生き残ったメス個体2尾を、ミナミヌマエビとの交雑実験に使うことにしました。
 

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■ミナミヌマエビの準備

 ミナミヌマエビは、とても亜種の多いエビで、時には中国からのシナヌマエビ(亜種)が 釣り餌として輸入されたり、 そういう個体が観賞魚店にいたりするので、後々情報を整理できるように、 「間違いなく日本のミナミヌマエビです!」という個体を用意したいと思いました。 というわけで、2004年10月末に、長崎県内某所で「まぎれもなく日本に天然分布するミナミヌマエビ」を 採集しました。予想はしていましたが、この年の繁殖期は終わっていたようで、メスの卵巣はぺったんこ。とりあえず、上記のレッドチェリーメス用水槽の隣で、しばらく飼育しました。写真が残っていなかったのですが、飼育状態は、上のレッドチェリーメスとほぼ同様です。飼育開始から20日程経過した頃にはメスの卵巣がはっきり目で見て確認できるようになりました。(余談。飼育当初、新鮮な動物性のものを食べつけていないためか、アカムシには全く興味を示しませんでしたが、プレコタブレットには団子のように集まっていました)
  

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■混泳開始
 
 2004年12月頭、準備していたミナミヌマエビ♀♂とレッドチェリー♀を混泳開始しました。・・・というか、早い話がレッドチェリー♀水槽にミナミを数尾放り込んだだけなんですが(爆) 飼育方法は、今までと同様です。レッドチェリーはミナミヌマに比べて最大サイズが小さいので、ミナミヌマ♀は、大型2個体とやや小型2個体を選んで入れてみました。混泳スタート時、水槽内にいるのは、
 レッドチェリーの成熟♀2個体
 ミナミヌマエビの成熟サイズ♀4個体(大2・中2)
 ミナミヌマエビの♂5個体
  となりました。つまり、オスはミナミヌマだけです。この状態で、レッドチェリーが産卵した場合、
 産卵〜抱卵→稚エビが成長して生殖能力があれば、多分同種(亜種レベル)とみなしてOKではないかと思います。

 実験開始当初、全ての♀で、はっきりと卵巣が確認できる状態でした。

(写真3−1:混泳水槽)


(写真3−2:混泳中の2種)
・・・レッドラムが踏み台状態w
  

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■結果とまとめ

 混泳開始の2004年12月から水温がさらにやや下がり気味になりましたが、最低で明け方の17度、最高で24度(日当りと室内暖房効果)でした。
 2004年12月中旬、ミナミヌマエビの一番大型だった♀が抱卵したのを皮切りに、ミナミヌマは全ての個体が12月中に次々に抱卵しました。(写真4) 全ての個体は、産卵によって卵巣が小さくなりましたが、抱卵中に徐々に卵巣が大きくなり、稚エビを放出した後すぐにまた抱卵しました。一番大型のメスは、2回目の抱卵中死亡しました。
レッドチェリーメスは、卵巣は発達するものの(写真5)2尾とも抱卵せず、混泳実験開始から約2ヶ月後の2005年1月下旬に1個体、3ヶ月後の2月末にはもう1個体が死亡し、混泳終了となりました。同時期、レッドチェリー繁殖水槽の方でも、大型個体がぽつぽつ亡くなって抱卵が減っていたようでした。(次の世代(明らかに一回り小型でした)は元気でしたが、卵巣は未だ未熟でした)

 今回の実験では、レッドチェリーが抱卵しませんでしたが、
1)冬場で室内暖房はあっても、やや温度が低めになったため、日本産ミナミヌマエビよりも暑い台湾に棲むレッドチェリーの方が早く「産卵期」が終わって冬になってしまった。

2)死んだレッドチェリーのメスは、多分最大サイズに近かったので、ある意味お歳で体力そのものが下降気味で、抱卵できなかった。

3)実は産卵はしたけど、脱卵していた。(毎日観察していたわけではありませんので・・・)

・・・の3点が否定できません。が、ミナミヌマエビ♀の産卵の様子を考えると、交雑しない線が強いかな〜と思います。また、秋になって場所があれば、もう一度やってみようかなと思います。
 

(写真4−1:ミナミヌマエビ♀産卵前日)


(写真4−2:上の個体の翌日)


(写真5:レッドチェリー♀卵巣大)
・・・なのに、抱卵せず。

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2005年6月 おさんぽ

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